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ボキャブラリービルドの為の精読を記録しています。
今回の本は"What Have You Done" Matthew Farrell。
若干ネタバレが含まれますのでご注意ください。
ある日、バスルームで全裸で倒れている状態で目覚めた主人公。なぜ自分が全裸でバスルームだ意識を失っていたのか。どこで、誰と何をしていたのか、前日の記憶が全くない。妻が問う。What have you done。
主人公はいわゆる犯罪化学捜査班。前日の記憶がないまま呼び出しのあった事件現場へ行くと、そこには惨殺された若い女性の死体。
先に到着していた刑事たちの状況を聞きながら、現場検証を進めていくと、運び出そうとする被害者に驚く。被害者は主人公の愛人。
どう考えても第一容疑者は自分。しかも自分には昨夜の記憶が全くない。動揺する主人公は兄へ連絡を取る。兄は刑事。もちろん身内をかばうことは許されない。兄は自分の手で真実を確かめたいと担当の刑事たちには内緒で証拠を検証する。
ところが、すべての状況証拠は主人公を指し示すため、証拠隠滅を試みる。
主人公は自分が無実で、何者かに嵌められたことを証明するために調査を始める。だが、しかし、調べれば調べるほどすべてが自分が殺人を犯したことを示す。
調査の過程で旧知の精神科医に助言を求めたところ、犯人像は自分ではありえないことがわかり、隠された真実を紐解いていく。
ストーリの展開が前半は遅く、冗長な表現が多く中々進行していかない。そこまで何を描写したかったのか、それが今後の伏せんになるかと思い辛抱強く読み進めたが、特に大きな意味をもたなかった。展開の遅さに、結末だけを先読みしたくなったが、ぐっとこらえ、ようやく中盤に入って、ストーリが展開していく。
中盤では後半の犯人へ繋がる伏せんが散りばめてあり、誰が犯人かはすぐわかる。だが、犯人へ繋がっていく、結末までの持たせ方は割に良かったと感じる。
以下ネタバレ
カーソルで反転させると読むことができます。
ここから↓
犯人は兄と妻。兄はサイコパス。
実は兄弟の母親もサイコパスで父親を故意に事故死させていた。
また、母親は幼い主人公を風呂に沈めて殺そうとして兄が母親を殴ったというトラウマが兄弟の成長に暗い影を落としていた。
弟を母親の魔の手から救い出した兄は、その後もいい兄であり続けた結果、その反面にあった母の遺伝ともいえるサイコパスな人格が陰惨な凶行を繰り返す。また妻は主人公が自分を裏切り、尚且つ愛人が子供を身ごもったことが許せず、兄と共に凶行に及ぶ。
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