自分が読んだ本の概要を記録用に残しています
今回はこちら”Digging In” Loretta Nuhan.
若干ネタバレを含みますので要注意。
ある日突然夫を交通事故で亡くした主人公と息子。いつも通りの日常を送るはずだったあの日。突然未亡人に。
夫を亡くしたショックから立ち直る間もなく日々の生活に追われていく。主人公は古くからある広告代理店のエースだが、不運にもその経営者が急死。経営権が後継のバカ息子に渡る。
経営権を持った息子は、父とは違った経営スタイルを採用するという名目でカリスマ起業家のハウツー本を信奉し始める。
口を開けば、この本の〇〇ページによると、と始まり解雇をちらつかせながら、従業員に執拗に本の教えに従わせようとする。
そして、経営上の理由という名目でレイオフを宣言し、レイオフ候補を本の教えに沿って決めようとし始める。当然従業員からの反発はあるものの、みんな解雇されないように保身に回る。古参のおばさん従業員である主人公とその同僚が候補に挙げられる。
そんな日々の中で、腐る主人公と同僚が気まぐれに立ち寄ったファーマーズマーケット。そこで知り合った一人の女性との出会いから、ふと庭の手入れを始める。
すると、隣人のお爺さんが老婦人と徒党を組んで庭作業に対して難癖をつけ始める。
プライベートで夫を亡くした傷も癒えず、会社ではレイオフをちらつかされ、気分転換に始めた庭作業では隣人の嫌がらせ。主人公は追いつめられついにキレてしまう。
キレた主人公は何を思ったのか、夜中にひたすら庭をDigging する。ただひたすらに掘る。なにかに取りつかれたように掘りまくる。すると気分が良くなり、爽快感すら覚え、ガーデニングに目覚めていく。
ファーマーズマーケットの女性と共にガーデン作業を始め、野菜を栽培しはじめ、思春期特有の反抗期を迎えた息子、頑固な隣人の爺さんの隠された秘密、そしてクビのかかったプレゼンテーション、といった様々な問題に立ち向かっていく。
人生って良くも悪くも起伏があるものだけど、1つ1つは大したことがない問題でも同時にやってくると身動きがとれなくなってしまう、それも人生。そして新たな出会いが困難を乗り越える道筋となる。そんな物語でした。
文章も読みやすく、アメリカ在住だと容易に想像できる描写が多く、主人公の心情の変化など読んでいて飽きなかったです。
さらっと読める1冊だと思います。
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