海外生活と老いていく親 その1

8/25/2022

海外生活と親

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Photo by Matthias Zomer:


この記事は海外生活をする人が、日本にいる老いていく親を受け止め、万が一にも親の急死に遭遇したり、親の介護が必要になった時どうしたらよいのかを考えるきっかけにしていただけたら、と私の経験を元にしています。個人の特定を避けるため、内容に多少フェイクを混ぜ込んでいる点がありますがご容赦ください。

親と兄弟(姉妹)

実は今回の私の親の訃報で私も旦那も共に両親を亡くしたことになります。渡米前にすでに私も旦那も先に父親を亡くしていました。そして渡米後にそれぞれ母親を亡くしたことになり、現在は日本にはもう両親はいないということです。文字にするとあっさりしていますが、これが実は大変な出来事だったのです。

私達はアメリカへ移住して7年目になります。移住した当時は私はまだ40代、旦那は50代になったばかりでした。人生も後半にさしかかってからのアメリカ移住でした。
旦那には弟夫婦が、私には妹夫婦が日本にいます。

私の視点から、義弟夫婦は旦那との関係も良好で、首都近郊に住む義母とは車で15分程の距離に住んでいました。義弟嫁は義母との関係はあまりよくなく、ほとんど関わらないというスタンスを取っていました。

一方、私の実家は都内で、妹夫婦は実家とは1時間ほどの距離の首都近郊に住んでいました。妹も私も母とはあまり折り合いが良くなかったので、この距離でお互い干渉せずに暮らしていました。

それぞれの親との関係

私達がアメリカ移住を決めた時、私の父、義父(旦那の父)はすでに他界していました。

私の母は60代後半でようやく年金を受給するようになり、介護の気配もない人でした。感情の起伏が激しく、その時の機嫌に行動が左右されるので、私も妹もよっぽどのことがない限りは干渉しないというスタンスでした。

一方義母(旦那の母)はというと、この時はすでに80代でなんらかの生活支援を必要とする年齢でした。
移住を決めるよりずっと以前、義父他界後、義実家で一人で暮らしていました。義父亡き後の義母は70代後半、他人の世話になるのがイヤなタイプの方で、なんでも旦那(長男)を呼びつけてあれこれ指示するのですが、旦那もそう頻繁には相手ができないので、私達は2週間に1度程のペースで様子を伺いに出向いていました。義弟は近居であったために、よく仕事帰りなどに義母のもとへ立ち寄ってくれていました。しかし、80歳を超えたあたりから、物忘れや言動が少しおかしくなってきて、また体の動きにも不自由がでてきたためにヘルパーさんやデイケアサービスを勧めたのですが、なかなか受け入れませんでした。しかし、ある時ちょっとした入院をし、その後医師からリハビリの指示がでて、デイケアへ通うようになり、その後も継続してデイケアへ出向くようになったのでした。デイケアへ通うようになった後も、2週間毎に義母を訪問し、ケアマネージャーや義弟とともに支援を行っていました。

親とお金

親の経済状況を把握することはとても重要です。これはあまり詳しくは書けませんが、親自身がどの程度老後資金を準備していたか、ということは後々私達にボディブローのようにじわじわと効いてきます。脅かすようですが、親の経済状況はたとえ今、親が現役世代であっても、自分が海外に出る前から干渉しすぎない程度に把握しておくことが重要です。なぜなら、不幸は突然にやってくるかもしれないからです。

親の職業

余談ですが、親が現役世代か、引退生活かにかかわらず、親の職業によっても老後資金に雲泥の差があります。赤裸々にいうと、戦後の高度成長期、バブル経済期にどのような収入を得ていたかということもあるのかもしれません。

私の母は専業主婦だったのですが、サラリーマンの父が亡くなったのは妹が成人する前、丁度バブル経済真っただ中だったので、遺族年金と企業年金、生命保険で年金受給まで”働かず”暮らしていました。

一方義母は自営業であったため国民年金と義父のパートで生活をしていましたが、義父が他界後は1人分の国民年金だけでは生活に困窮するようになり、旦那と義弟とで生活を支援していました。私はサラリーマン家庭で育ったので知らなかったのですが、この国民年金というのが曲者で、一人世帯の老人といえども2ヶ月に1度の国民年金では到底生活ができないのです。2人世帯ならなんとか賄えたかもしれません。しかし、電気ガス水道といったライフラインの費用は一人でも2人でもあまり変わらないのが現実です。わかりやすいのが冷蔵庫。2人から1人なったところで消費電力が半分になるものではありません。固定費は変わらないのに一人になったとたん年金も半分になってしまうのです。そういった現実を老いた親が理解できるわけもなく、また、いたずらに固定費の話をしてしまうと、猛暑と言えども冷房を使わなかったり・・・。老いた親にお金の話をするのは実子でさえも大変です。ましてや配偶者の立場でものを言おうものなら・・・、想像できるでしょうか。


長くなってしまいましたが、親の定年が近づいたり、自分が介護保険を納めるような年齢に達したら、海外移住抜きにしても親の老後をどうするかはきちんと対策を考えるべき時期なのかもしれません。

長くなるので後日へ続きます。






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ネコノツマコ、アメリカ カリフォルニア州在住。50代夫婦二人暮らし。アメリカ移住の生活の様子を気が向いた時に書いています。

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