アジア人に対するヘイトが急増するカリフォルニア
リベラル支持の多い州として知られるカリフォルニア。昨年、カリフォルニアはアジア人の比率が30%を超えたこともあり、非常にアジア人の多い地域となっています。しかし、リベラルが多勢とはいえ、前大統領の強烈な支持層も多く、その多くは現状に多くの不満を持っています。コロナウィルスの蔓延で、経済的に困窮する人が人種を問わず増え、いままで有色人種に施す側にいたはずの人達が困窮するようになって特定のアジア人に対するヘイトが高まっています。そんな矢先、地元のスーパーで買い物をしていると、背後で咳払いが聞こえて来た。在米邦人なら誰もがすぐにわかるアレ。なんか「お前が目障りだ」ということをアピールするあの咳払い。1度なら、たまたま喉がいがらっぽいのかな?と思うし、気に留めることはないのですが、このコロナのご時世、他人の咳やクシャミにはどうしても過敏になってしまいます。できるだけ過敏に反応しないようにその人から遠ざかったのです。
執拗に追ってくる白人女性
野菜売り場で遭遇した咳払い、今すぐどうしても野菜を選ばねばならない理由はないので、すぐさま他の売り場へ移動しました。するとまた聞こえてくる咳払い。今度は近い? 商品を見ているふりをして肘越しにチラ見すると中年の白人女性が斜め後にいてカートを肘で押していた。野菜売り場にいた女だ!この通路には私とその女以外だれもいないのである。
まさか、気のせいだよね、と思い始めたその時、再びあの咳払い。もう偶然ではない。明らかに私へ向けて咳払いをしているのである。女は私が気づいて振り向くかを試している。私は絶対振り向かないし、気が付かない振りをして、また違う通路へ移動した。めんどくさいことに、その女は私が気が付かない(ふりをしているのだが)ことが悔しいのか、後を追ってきてまた咳払いしている。この女しつこい・・・。私の行く後を追うかのようについてくる。そんなに特定の人と買い物する順番やアイテムが被ることってないよね。私は女の意図を確信した。そこで、私は他のお客さんもいる比較的通路の広い冷凍食品の通路へ向かい、商品を選んでいるふりをした。カートを押して立ち止まってわざわざ咳払いをしたらみんなが振り向くであろうと考えたからです。
みんなの前でやれるものならやってみろ。正直そういう気持ちがあったのは確かです。すると、案の定私をさりげない様子で追ってきた女、他の客がいるので露骨な咳払いができないと思った私が甘かった。私の背後を通り抜けながら咳払いをしたのである。横にいた男性が振り向いて、さっとその女を避けた。男性はちょっと体格が良い方だったので、カートで通るのが邪魔で咳払いされたと思ったのでしょう。(通路は余裕で通れる)女は男性にThank youと会釈をし、通り過ぎて行った。ね、気のせいじゃないでしょ?明確に気づかせるために咳払いをしに追ってきていたのよ。私は、このクソ女にかまってられないので、ひたすら通路に女がいないことを確認してさっさと買い物を済ませて店を後にしたのです。終わってしまえばなんて事のない話に思えるかもしれません。でも、実際は不愉快極まりないですよ。
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私は以前あるお店でも同様の経験したことがあります。その時の咳払いは、「出ていけ、白人様の店だ。お前のいるべき場所じゃない、今出て行けば許してやる」的な意思表示を安全に行うための咳払いなのである。安全にというのは、言葉で出ていくように明言したわけでもなく、ただ喉の調子が悪かっただけ、他意はないわ~、被害妄想じゃないの?悪くとるなんて、という言い訳Excuseができるからである。もちろん言葉で上記のようなことを言ったらヘイトクライムとして検挙されてしまうからである。
その当時、私はふと執拗な咳払いに気が付いて店内を見回すと、偶然かどうかわかりませんが、白人客以外有色人種はいなかったのである。(※個人商店のような感じの店)別にそこで特段買わねばならぬものがあったわけではなかったので、早々と立ち去ったのでした。
咳払いとは
元々咳払いとは、言葉を発して相手に知らせることが憚られるような時に、相手に気づかせる婉曲的な行為であって、悪いことばかりではないものです。例えば、言葉で知らせたら相手が恥をかいてしまうような時、さりげなく咳払いで気づかせたりする時に使ったりします。スカートの裾が捲れていたり、ズボンのファスナーが開いてしまっていたり、また、初めての場所でどう振る舞ってよいか戸惑った時、さりげなく相手にヘルプを示したり、と。いろいろな局面で使われます。ですから咳払い自体は悪いことではないのです。
今回の様に、私に気づかせたい何かがない(パンツが見えてるとか何かを落としたとか)場合、大抵は、不愉快であることを暗示しています。要するに「お前が目障りだ」と気づかせたいわけです。
アジア人へのヘイト
アジア人へのヘイトが高まってしまった原因を解説してくれているメディアはたくさんあります。前大統領の発言や政策であったり、コロナウィルスの起源がアジアのある国であるかのような説であるとか。いろんな説がありますが、根本的には、ヘイトを持つその人がいま幸せではないからなんだと思います。それはコロナのせいかもしれないし、背景に他のなにかがあるのかもしれない。例えば子供が進学したかった大学は有色人種枠があって落とされたと感じているとか、自分の上司がアジア人であるとか、それはもう個人がヘイトをもつ背景は数えきれないほどあると思います。根底にあるのは自分がストレス下にあることを有色人種に転嫁してしまう思考にあるのだと思うのです。簡単に言えば八つ当たりしているだけなのです。八つ当たり程理不尽な行為ってないですよね。もう、大の大人がみっともない。ですからこういう人には、やり返したり相手にしないで、近寄らないことが最善なのです。だって八つ当たりなのですから。表立ってヘイトを明示しない微妙な行為で嫌がらせなんて小賢しい小心者のすることです。相手にする価値はありません。
しかし、いくら八つ当たりと言えども、言葉や暴力を受けた時は、黙っていてはいけません。大声で助けを呼んでください。周りの人を巻き込んでください。遠慮してはいけません。大勢の目のある所へ逃げてくださいね。
冷静な判断と、暴言や暴力には毅然とした対応の勧め、感心しました。不平不満をもたらしている根元を無くす努力が求められていますね。
返信削除コメントありがとうございます。いつの時代も不平不満をもつ人はいるけれど、昨年、今年はちょっと様子が違うのかもしれませんね。人種の多様性に富むカリフォルニアでさえ、最近は一人で出歩くことが憚られます。今が試練の時なのかもしれませんね。
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