最近、シリコンバレーやトレンドに敏感な地域の飲食店が、ある「静かな地殻変動」に直面しているのをご存知でしょうか。人々がレストランで、当然のように「デザートをスキップ」し始めているのです。
健康志向の波は、今や単純なカロリー制限を飛び越えました。GLP-1薬やCGM(持続血糖測定器)といったテクノロジーによる「血糖値のコントロールと可視化」へと進化したのです。人々は単に「食べない」のではなく、自分のデータを見て「賢く選ぶ」時代に突入しました。
そんな大きな時代のうねりの中で、私の生活にも新しい習慣が加わりました。腕に小さなチップを装着し、スマホで自分の内側を覗き込む。そんな「血糖値の観察」の日々が始まったのです。
CGM(Continuous Glucose Monitor:持続血糖測定器)。腕に貼った小さなセンサーが、24時間リアルタイムで血糖値の変動をスマホへ送り続けてくれるデバイスの総称です。
【血糖値を測る。なぜ、わざわざ「腕」なのか】
理由は驚くほどシンプルです。指先を針で突いて測るのは、単純に痛いから。
でも、きっかけはそれだけではありません。
実は旦那が遺伝的に糖尿病を発症しやすい体質で、主治医から計測を命じられていたのですが……これがまあ、よくサボるのです。見かねて購入を勧めたのが、針を刺さずに済む腕への装着タイプ「CGM」でした。
ただ、ここで一つハードルがあります。現在のアメリカでは、医師の処方がないとCGMに保険が適用されません。旦那のように、糖尿病と診断される前段階(Pre-Diabetes)で踏みとどまっている場合、医師は処方箋を出せず、保険会社もカバーしてくれないのです。そこで私たちが目をつけたのが、最近普及し始めたOTC版(処方箋不要)のCGMでした。
食事を作る立場として、彼の数値を数ヶ月観察しているうちに、私の中にフツフツとある思いが湧いてきました。
「これ、私もやってみたほうがいいんじゃない?」
【可視化された、言い逃れできない真実】
今まで、朝と晩、決まった時間に指先から血糖値を測定していた旦那ですが、これでもうめんどくさいとは言えないはず。ところが送信される数値をみて愕然としました。私がどれほど健康に配慮した食事を用意しても、CGMを装着した旦那の血糖値は容赦なく「スパイク」をつきつけてきたのです。
調べていくうちに分かったのは、中身と同じくらい「食べるタイミング」が重要だということ。そして、食後のたった5分の散歩が、どれほど劇的に数値を抑えてくれるかということ。ところが、その「たった5分」ができないのが旦那という生き物です。
「ならば、私、ツマ子が証明しましょう」
どうすればスパイクさせずに済むのか。自分の体を使って、データによる「答え合わせ」を始めることにしたのです。
【二つの選択肢:SteloとLingo】
そこで検討したのが、処方箋なしで購入できる最新の二台、Dexcomの「Stelo」とAbbottの「Lingo」です。
Androidユーザーの夫はSteloを購入。iPhone愛用者の私はLingoを検討しました。どちらも両OSに対応していますが、デバイスごとの特性や相性を詳しく知りたいと考え、私は結局「両方」を試して検証することに決めたのです。
価格はSteloが少し高めで、Lingoは若干安いものの自分でパーツをセットする工程がある……。この小さなデバイスたちが、私の「食」と「身体」の景色をどう変えていくのか。二つの実体験を交えながら、血糖値の謎解きを綴っていきたいと思います。
「次回は、実際にこの二つのデバイスを装着してみた際の手触りや、それぞれの特徴についてお話ししようと思います。」

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