前夜、工具なし業者の力業でなんとか元栓を閉め、かろうじて大水害を免れたツマ子家。
しかし家の中は完全断水。
水筒に汲んだ飲み水と、バスタブに貯めた生活用水で凌ぐサバイバルな夜を過ごしました。
一刻も早く普通に水が使える生活を取り戻したい……!
一夜明けて落ち着きを取り戻した朝、手配していた水道屋さんが来てくれるのを祈るような気持ちで待っていました。
そして午前9時半、救世主がやってきました。
その名もロドリゲスさん。
昨夜の破裂と断水の顛末を話すと、
「俺が来たから大丈夫だ!」
頼もしすぎる!!!! 昨夜のダメダメ業者との落差もあって、完全に映画のヒーローに見えました。
ツマ子現場監督の「極上おもてなし陣形」
配管の被害状況を確認したロドリゲスさんは、問題のL字配管とバルブを丸ごと新しく交換してくれることに。
「この配管に合う太さのパイプとパーツを調達してくるから、今から買いに行ってくるね。もう少し不便だけど待っててくれ」と言い残し、さっそうと買い出しへ向かってくれました。
さて、この日は朝からカリフォルニアの強烈な日差しが降り注ぎ、外はかなりの猛暑。
この日は旦那も在宅勤務ではあったものの、大事な会議などが入っていて動けず、ロドリゲスさん対応はすべてツマ子の担当です。
猛暑のなか作業してくれるロドリゲスさんのために、ツマ子現場監督、立ち上がりました。
- 作業場所にガーデンパラソルを設置して日陰を確保
- 冷たいお水、エナジードリンク、スナックを用意(アンリ・シャルパンティエ(Henri Charpentier)のマドレーヌ!)
- 外までコードを伸ばして扇風機を設置!
完璧な「おもてなし陣形」を敷いて、ロドリゲスさんの帰りを待ちました。
第一の難関:びしょ濡れの現場検証と「現物合わせ」
パーツを揃えて戻ってきたロドリゲスさん。まずは第一の難関、どこから水漏れしているかの確認作業です。昨夜の元栓を再び開け、庭のイリゲーション(散水)を稼働させます。
プシューーーッと勢いよく吹き出す水!
ロドリゲスさんもツマ子も、二人して頭から水を浴びながら「うぉおお!」と確認(笑)。
水漏れ箇所を特定したら、今度はロドリゲスさんが持参した「ちゃんとした専用工具(Water Meter Key)」でサッと元栓を締め、家の中への給水を最優先で復旧させる作業に入ってくれました。
ただ、ここで立ちはだかったのが古い配管。
この家が建てられてから一度も取り換えられていないと思われ、ガチガチの土の中に埋まっています。
汗だくになりながらスコップで土を掘り起こすロドリゲスさんですが、持っているスコップがデカすぎて配管を傷つけそう。
そこでツマ子、マイ園芸用ミニシャベルを投入!
大きなアメリカ人職人が、ツマ子の小さな園芸シャベルでちまちまと土を掘り進めるという、ちょっとシュールで温かい共同作業が始まりました。
無事に古い配管を取り外したところで、ちょうどお昼休み。
水が使えないので料理も洗剤も使えず、ランチはツナ缶を開けて即席のツナサンドで済ませました。
ランチ休憩の後に
午後の作業に早く戻ってきてくれたロドリゲスさん。静かに黙々と配管の接続にとりかかります。
ここでアメリカの職人さんを見ていてずっと思っていた疑問が膨らみます。
……こっちの人って、メジャーで寸法を測らないの?
ロドリゲスさん、実物のパイプを現場にあてがって、指で印をつけて「エイッ!」と切っているではありませんか。
「そんな大雑把で大丈夫……?」
と興味深くじーっと観察していると、案の定、長さが合わなくて切り直してる!!
(心の中で「ほら見ろーーー!」と盛大にツッコんだのは秘密です笑)
クライマックス:手が3本必要な壁と「3本目の手」
上水道のメイン配管とバルブは無事に交換でき、次はいよいよイリゲーションへの分岐L字配管。
この配管はガレージのボイラーにもつながっている重要なラインです。
しかし、ここで最大の危機が訪れます。
L字の曲がった管をカチッとはめ込むためのスペースが、ほんの数ミリ足りない。
ロドリゲスさんがひとりで無理やり押し込もうとするのですが、力を入れすぎると壁の奥に埋まっているボイラー用の配管がメキメキッと壊れてしまいそう。
物理的に手が足りない。どう見ても手が「3本」必要な現場。
ここでツマ子、3本目の手として現場に電撃参戦いたしました!
壁側の配管に負担がかからないよう、ツマ子が渾身の力ではめ込みたい先の接続口をグッと押し込みます。
「くっ……!」「押さえて!」「押さえて……!」
限界寸前、腕プルプルの状態で耐え続けるツマ子。
ベストな空間が出現したその瞬間を見逃さずはめ込むロドリゲス!
ガコッ!!!!
見事にはまったーーーーー!!!
思わず興奮して「Yay! You made it!(やったー!あなたがやり遂げたわ!)」と叫ぶと、ロドリゲスさんはニカッと笑って言いました。
「We made it!(俺たちでやり遂げたんだよ!)」
……なにこの胸熱なドラマ展開!! 施主と職人を超えて、完全にチームとなった!
(いや、ちゃんと手下を連れてこいや)
感動の開通と、何食わぬ顔の旦那
ロドリゲスさんの「もう家の中に水が通るよ、出してごらん」という言葉に背中を押され、家の中へ駆け込んで蛇口をひねりました。
ガスッ!、ガスッ!とで切らないおならのような音に続き、
ジャーーーーーーーッ!!!!
出ました! 水です!!
たった一晩と半日でしたが、水が出ない不便さを痛感していただけに、蛇口から勢いよく出る水を見たときの感動といったらありません。
開通の喜びを噛みしめていると、2階でずっと会議をしていた旦那が何食わぬ顔で降りてきました。
「水が出るようになったよ!」と報告すると、
「おお、ありがとう!」とあっさり。
(おい! こっちは水を浴びて土を掘って、腕プルプルさせながらロドリゲスと熱い絆を結んだんだぞーーー!笑)
その後、時間に少し余裕ができた旦那が今度は現場監督を引き継ぐことに。
ツマ子はバスタブに貯めていた水を無駄にしないよう洗濯機に投入したりと、止まっていた家事を取り戻します。
イリゲーション側のパイプにも大幅な破損が見つかったため、最後は旦那が配管の上の植栽を伐採し、ロドリゲスさんが土を掘るという、息の合った(?)肉体労働の末、無事にすべての交換作業が完了しました。
数々のパニックとサバイバルを経て、平和な日常が戻ってきました。
たった一晩と半日の断水でしたが、冷たい水が普通に使えること、そしてピンチの時に駆けつけてくれた頼もしい職人さんに心から感謝した一日でした。

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