日本でまた大きな地震があったニュースを目にしました。熊本での揺れ。被災された地域の皆様に思いを寄せつつ、どうかご無事で、一日も早く安心できる日々が戻ることを心から願うばかりです。
東日本大震災を経験したものとして、遠く離れたカリフォルニアの自宅で胸がキュッと締めつけられる思いです。
ニュースを閉じ、ふと窓の外を眺める。ここサンノゼもまた、巨大な活断層の上に位置する街だ。いつ「その時」が来てもおかしくない。
連載で、楽しい夏休みの様子をブログにしていましたが、ちょっと一休みして、災害への備えについて書き記しておこうと思います。
もし今、ここで大きな地震が起きたら——。どう備え、行動すべきか知っていますか?
そう考えてみると、日本で当たり前だと思っていた防災の常識が、アメリカではまったく通用しないことに気づかされます。
日米でこんなに違う!カリフォルニアの地震・避難ルール
日本の防災訓練で身についた習慣は体に染みついているけれど、アメリカの住宅構造やインフラの仕組みにおいては、かえって危険になることもあるようです。
主な違いをいくつか整理してみました。
- 日本: 揺れが収まるのを待つのが基本だが、「まずはドアを開けて脱出路を確保する」という行動が広く知られている。
- 米国: 「絶対に外へ跳び出さない」「ドア枠の下には立たない」が鉄則。アメリカの住宅やビルの外壁(レンガや装飾ガラス)は揺れで崩れやすいため、外へ逃げようとして落下物の直撃を受ける事故が最も多い。また、現代建築においてドア枠が特別頑丈というわけでもない。
2.避難の基本:「原則として自宅待機(Shelter-in-Place)」
- 日本: 発生直後は近所の「一次避難場所(公園や小中学校のグラウンド)」へ集まり、安全を確認してから「避難所(体育館など)」に移動するステップが定着している。
- 米国: 「自宅が安全なら自宅にとどまる(Shelter-in-Place)」が基本方針。建物に著しい全壊リスクや火災・ガス漏れがない限り、指定避難所(Emergency Shelter)へ行く必要はない。
- 日本: 各地域で「〇〇小学校」のように避難所があらかじめ固定的に指定されている。
- 米国: 赤十字社や各郡(County)が被害状況に応じて、発生後にコミュニティセンターや高校などを選定して順次開設する。あらかじめ固定された場所を覚えるのではなく、発災後に自治体からの緊急アラートで開設場所を確認する仕組みになっている。
- 日本: エリアメール(Jアラート)が自動的に全配信される仕組みや、災害用伝言ダイヤル(171)などが普及している。
- 米国: 地震早期警報アプリ(MyShake)のほか、住んでいる郡や市ごとに事前登録制の緊急警報システム(AlertSCCなど)に自分から登録しておく必要がある。また、安否確認の連絡は回線混雑を避けるため「通話ではなくテキスト(SMS)」を使うことが強く推奨されている。
💡 AlertSCC(アラート・エス・シー・シー)とは?
カリフォルニア州サンタクララ郡(サンノゼ市やクパチーノ市など)が運用する公式の緊急警報・安否配信システムです。
【主な特徴】
・主な配信内容: 地震や津波注意報、山火事(Wildfire)による避難指示、大規模停電、悪天候、警察の緊急情報など
・ピンポイント通知(無料): 住所や連絡先(SMS・Eメールなど)を事前登録しておくことで、自宅や職場周辺の限定的な緊急アラートが届きます
・言語対応: 多言語での通知設定にも対応
郡単位で出される避難指示などを素早く把握するため、このエリアに住むなら事前登録が強く推奨されているシステムです。
5.津波対策(沿岸部):「警報を待たずに即移動」

- 日本: 大津波警報などのアナウンスや防災行政無線を聞いてから避難行動をとるケースも多い。
- 米国: サンフランシスコ湾沿いや海岸近くで強い揺れを感じた場合、「警報を待たずに自分の判断ですぐ徒歩で高台へ向かう」ことが徹底されている。
「助けてもらう」のではなく「自分たちで生き残る」ために
アメリカでの防災は、「公助」よりも「自助・共助」の側面が強いと感じる。誰かがすぐに助けに来てくれることを期待するのではなく、まずは自分たちの身を守る方法を考えて行動しなければならない。
FEMA(連邦緊急事態管理庁)も掲げる「Self-Reliance(自立)」
アメリカの公的機関(FEMAや赤十字)は、災害発生時の原則として「最初の72時間(またはそれ以上)は行政の手が届かない」という前提で広報を行っています。
日本のように自治体が避難所を開設して給水車をすぐ手配するような「公助」に頼るのではなく、「救急サービスが機能するまでの間、自分と家族の身は自分たちで守る(自助)」というスタンスが徹底されています。
アメリカという異国の地で災害にあったらどうするか、改めて以下のポイントを見直すことにしました。
- 最低72時間分の備蓄(非常用持ち出し袋:Go Bag)
水や食料はもちろんだが、停電時に役立つのはハイテク機器よりもアナログな道具たち。
もちろん電子機器を動かす充電器の備えは必要だが、紙の地図、電動缶切りではなく「手動の缶切り」、電池式や手回し充電のラジオ、そして少額の現金や身分証のコピーは必須だ。ペットのための備蓄もわすれずに。 - 家族間でのミーティングスポットの決定
万が一離ればなれになったとき、どこで合流するかを家族と改めて話し合っておくこと。 - 緊急警報(AlertSCC)の登録確認
情報収集のルートを確保しておくこと。 - ご近所との付き合い
いざという時に声を掛け合える関係性を日頃から作っておくこと。
遠く離れた故郷のニュースに胸を痛めつつも、それを「自分ごと」として捉え直し、今いる場所での備えを固めること。
備えあれば憂いなし——とは言わないけれど、少なくともパニックにならず冷静に行動するための第一歩にはなるでしょう。
みなさんの住む地域では、どんな防災対策が取られていますか?

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