前回のブログで甲状腺機能亢進症と診断され、ようやく治療が始まったところまでお話しました。今回は、薬を飲み始めてから私に起こったことをお伝えしたいと思います。
治療の光と影
投薬が始まってまず驚いたのは、長らく私を苦しめていた症状が劇的に改善していったことです。常にバクバクと鳴り続けていた激しい動悸が落ち着き、ほとんど気にならなくなりました。また、激しい疲労感で起き上がることさえ難しかった日々が嘘のように、少しずつ活動できるようになっていきました。
一方で、汗だけは相変わらずで、ちょっとしたことでも滝のように流れてくる状態でした。それでも病名がわかったことで、「病気のせいなんだ」と割り切れるようになり、気持ちが楽になったのを覚えています。
「このまま順調に治療が進んでくれたらいいな」と思っていたのですが、現実はそう甘くありませんでした。
次々と現れる新たな症状
薬を飲み始めて数日経った頃、今度は目が激しく痛み始めました。まるでガラスの破片が目に突き刺さっているかのような、耐え難い痛みです。
すぐに医師に相談すると眼科を紹介され、「TED(甲状腺眼症)」になりかけている可能性を指摘されました。甲状腺機能亢進症の合併症として、眼球が押し出されてドライアイになることがあるとのこと。点眼薬を処方してもらい、様子を見ることに。
しかし、これで終わりではありませんでした。
さらに数日後、ある朝目覚めると視界がぐるぐると回り、吐き気まで襲ってきたのです。メリーゴーラウンドに乗り続けているような感覚、まさにDead Or Alive の曲You Spin Me Roundがエンドレス再生状態になったかのように、体はまったく言うことを聞きません。
体を横にすると目が回り、体を起こすと少し楽になる、歩けば視界が揺れ眼振する、そんな状態でした。今度は耳鼻科を紹介され、診断されたのはVertigo「良性頭位めまい症(BPPV)」。幸いにも自然治癒を待つしかないとのことでしたが、吐き気止めのDramamine(これはOTCで購入)と理学療法を処方され、しばらくつらい日々が続くことになりました。
理学療法でのリハビリテーションセラピーはエプリー法(The Epley maneuver is a series of specific head and body movements used to move otoconia (crystals) in the inner ear back into the correct position.)という首と頭をゆっくり動かして耳石を正常な位置へ戻すセラピーを受けたのでした。
これは治療の副作用というより、度重なる検査・通院・激しい動悸などのストレスで再発した(以前にも過度なストレスでなったことがある)のではないかと思っています。
治療の暗雲、そして新たな選択
甲状腺機能亢進症の治療は投薬が第一選択ですが、薬の開始後、定期的に血液検査で副作用がないかを確認します。
薬を飲み始めて何回か血液検査があったのですが、1か月後の血液検査で、肝機能に異常が出始めました。副作用の影響です。この結果を受けて、それまで飲んでいた薬は中止になってしまいました。
この時甲状腺のドクターはちょうど休暇中だったのですが、同じ病院の違う科の先生(この先生との話は後日になります)がちょうど私の血液検査をモニターしていたので、結果をすぐに甲状腺のドクターにフィードバックしてくれました。そして、その日のうちに甲状腺のドクターから薬の中止の電話がかかってきました。
※医療保険のPPOでも同系列のグループに所属する医師を選ぶとこういう連携が取れて安心です。
こうして、治療は振り出しに戻ってしまったのです。次の薬を試すことになりましたが、また副作用が出ないか、病状は落ち着いてくれるのか、不安な気持ちでいっぱいになりました。投薬が難しいとなると、切除手術などが考えられるからです。
次回のブログでは、新たな薬での治療と、その後どうなったかをお伝えしたいと思います。
同じ病気でつらい思いをされている方、もしくはこれから治療を始める方の参考になれば嬉しいです。

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