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これはアメリカで私が病気になったことについて、若干の脚色をしながら書いています。過去の出来事を振り返りながら書いています。現在とは状況が異なることにご留意ください。
カレッジがオンラインクラスへ、最初の異変
だいぶ前の話なのですが、私はしばらくカレッジに通っていました。新型コロナウイルスの感染拡大により、カレッジはオンラインクラスへと移行しました。自宅でパソコンの前に座って、授業を受けることになったのですが、オンラインクラスは思ったよりも大変でした。
何が大変だったかというと、授業中にカメラを通した画像からの授業で集中力を保つのは結構辛かったです。一日の授業が終わる頃には、パソコンの画面を見続けたことで目が疲れてしまっていました。そして、いつしか、授業後に床で倒れこむようにして寝てしまうほど疲れてしまったのです。
いつでもドキドキと動悸、汗を凄くかく、更年期障害と疲労感
その後、オンラインクラスだけではなく、日常生活でも不調を感じるようになりました。いつでもドキドキと動悸があり、汗が滝のように出てくるのです。この時、歳も歳なので、これらの症状は更年期障害だとずっと思っていました。
不調を感じながらも授業を受け続け、課題をこなし、ファイナルの試験を受けセメスターが終わると、もう私は自力では立ち上がることができなくなっていました。立ち上がるには旦那の支えがないとできないのです。
幸い、旦那も在宅勤務になっていたので、必要な時はすぐに手助けしてくれたし、どうしても起き上がれない時は食事などの用意もしてくれていました。しかし、私は少し疑問を感じていました。更年期障害ってそんなに何度もあるものなのだろうか?と。
私は割と早い時期から更年期を迎えていたので、とっくに婦人科でも更年期障害のピークは抜けていたのです。アメリカに来る前からもうすでに更年期に入っていて、典型的な関節痛、凄い顔汗や寝汗、ほてりに何年も苦しんだ時期があったのです。
今回の汗はともかく、激しい動悸、助けがないと立ち上がれないほどの疲労、絶対おかしい、何かが絶対におかしい。そういう考えが頭から離れませんでした。しかし、その反面、自分の症状を検索すればするほど”更年期障害”に行き当たり、そんなものかとなかば諦めもありました。
ちなみに、日本では更年期障害には漢方薬を処方してもらっていました。アメリカで暮らすようになってからは、しばらくはエクエルを買って飲んでいましたが、こちらのOTCで買えるAmberenを飲むようになっていました。穏やかな効き目で私には効果がありました。周りの同じ年代の友人が勧めてくれたのと、Costcoでセールしていたので割とよかったです。
主治医と相談、血液検査で甲状腺ホルモンの異常値判明
そんなタイミングで主治医との定期診察を迎えました。主治医は、かつて私が日本で受けた人間ドックの異常所見に対応してもらって以来、ずっとお世話になっている先生です。最近の私の症状を聞いて、すぐに血液検査を勧めました。
アメリカだとプライマリケアドクター(主治医)はクリニックにいる先生が多く、日本の病院の様にその場で血液検査をして、その結果を診てということは大きな病院グループでもない限りないかもしれません。
私が知らないだけで、ひょっとしたら日本人の先生が日本式のその場で検査診断してくれるようなクリニックを開業しているところもあるのかもしれません。
とにかく、私の場合、主治医のオーダー票を持って血液検査施設(Quest Diagnostics)に採血しに行きました。その日の午後にでた血液検査の結果はすぐに主治医に送られ、先生が電話をくれました。
TSHが異常に低かった
血液検査の結果によると、甲状腺ホルモンが異常値を示していました。私は、ここで本当の体調不良の原因が甲状腺ホルモンの異常であることを知ることとなったのです。この血液検査ではTSH値が異常に低く、またそれに関連するT4,T3の値も異常を示していました。
甲状腺機能の異常の指摘はこれが初めてだったのですが、これらを網羅した血液検査は年に1度のAnnual check-upで毎年測定されていました。これまでは甲状腺機能に関しては基準値の下限を示していて、先生は経過を観察していたようでした。さらに炎症反応を示すCRP値がとても高かったのです。
CRP値については、実は日本にいた頃からもう数十年、基準値以下になったことがありませんでした。
内分泌科(Endocrinology)の専門医への照会
主治医は、すぐに内分泌科の専門医への紹介を出しました。できるだけ速やかに受診できるように働きかけてはくれましたが、内分泌科は需要が高くてすぐには予約が取れませんでした。
内分泌科は、甲状腺だけでなく肥満や糖尿病やホルモンなどの内分泌系の病気を診断・治療する科です。私は、2ヶ月待ってやっと診察を受けることができました。でもこの間、ただ待っていただけではなく、主治医はすぐに診てくれそうな専門医を当たってくれいて、そこへ予約を入れるように電話をくれたりしました。
でも悲しいことに、その医師のクリニックは、あなたの保険はネットワーク外(全部自腹)ですけど、いいんですか?と言われたり、またもう一つは、新患は受け付けていませんと断られたり、と内分泌科はホントに予約ができない印象です。
それでもめげずに、もう自力で自宅からそう遠くなく、ネットワーク内はもちろんのこと、(できれば)女性の医師を片っ端からリストアップし、最後は顔写真(笑)で人相がよさそうな医師に電話してみました。ほら、やっぱり性格って人相に現れるっていうじゃない。そうやって決めた女性の医師から予約をとることができたのです。
内分泌科で甲状腺機能亢進症と診断
結局なんだかんだで、主治医の検査から2ヶ月程待った内分泌科で受けた診察では、すぐに追加の検査をすることになりました。血液検査や超音波による画像診断、そして放射性ヨウ素検査を経て、甲状腺機能亢進症と診断されました。
放射性ヨウ素検査は、微量の放射性ヨウ素を放出するカプセルを飲んで一定の時間経過と共に推移を測定するものだそうです。そしてこの検査は文字にするとちょっとアレなんですが、Nuclear Medicine のある施設で行います。
これは放射線治療を行うことができる医療機関で、特に病院(Hospital)などにあって、大抵病院の地下にあります。放射線治療をしている患者さんもいるので、少し気持ちがどんよりしてしまいます。
治療の開始と経過
話がそれてしまいましたが、甲状腺機能亢進症とは、甲状腺から過剰に分泌される甲状腺ホルモンによって新陳代謝が高まりすぎることで起こる病気です。甲状腺機能亢進症の原因は、ストレスや自己免疫疾患や甲状腺腫などがあります。
私はこれらの検査結果と診断によってまずは投薬による治療が始まりました。
飲み薬での治療がはじまったのですが、アメリカだから特になにかが違うということは感じられませんでした。強いて言えば、出された薬を日本語でも検索し、用量、用法やその他の日本の薬局で説明されるであろう情報をチェックした位です。
処方されたお薬は登録した(これもネットワーク内)薬局で受け取ります。この時、薬剤師さんが、注意すべきことをきちんと説明してくれます。(説明を受けないと薬を受け取ることはできない)そして説明を受けた、とサインします。
余談ですが、ここを英語の壁だと感じるかもしれないのでちょっとしたコツを書いておきます。医師から薬を処方されたら、取りに行く前にほんの5分程でいいから、お薬の名前を(英語のまま)検索し、翻訳ツールを使っても良いので内容をざっと読み、薬品名や副作用の名前などを発音を耳で聞いておくと良いです。
nausea, palpitation, pneumonia,...耳で聞いたことがないと初回だけで中々聞き取れませんよね。覚えなくても良いのです、耳で聞いたことがあれば、ああ、あのことかな?と感じることができると思います。
もし薬剤師さんの説明に確証がもてなかったら、もう少しわかりやすく、自分の知っている言葉で、それってstomach discomfortのことですか?とか、feel strong (irregular) heart beating のことですか?とか"some kind of inflammation in the lung?" とか自分が確実に理解している表現で問い返してみると良いです。
また、薬局でその時にすぐに通訳さんをお願いできないこともあると思うので、よくわからないまま返事をしないで、なにかペーパーはありませんか?後で読み返します。とかwhich means...?とか困惑の表情で聞き返すと、もっとわかりやすい言葉で言い直してくれる方もいます。
話がそれてしまいましたが、投薬が始まって2週間ほど経つと、動悸が起きなくなってきました。ゼロにはならないけれど、前ほど苦しくはなくなってきました。汗もさほどダラダラ際限なくでるようなことはなくなってきました。定期的に副作用をチェックする血液検査を続けながら治療を受けることになりました。
しかし、これで終わりではなかったのです。
つづき
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