🌿 カリフォルニアの光と暮らす水耕栽培
新居のキッチンには、眩しいほどの光が差し込む明るい出窓がある。こここそが、私にとってカリフォルニアを最も強く感じる場所だ。
年間を通して強い日差しが届くサンノゼでは、冬の太陽も油断できないほど力強い。おかげで、水耕栽培用のLEDライトをわざわざ用意しなくても、芽は勝手にすくすく育っていく。
以前の家ではバックヤードガーデニングに精を出していたが、新居では土を使わず虫も湧かない、窓辺の水耕栽培を始めることにした。
きっかけは、日系スーパーで買ってきた根付きの三つ葉を、ふと水に挿してみたことだった。
本格的なキットを取り揃えなくても、身近なものでいくらでも工夫は効く。
お気に入りは、Costcoの帰りに寄るようになったトレーダージョーズの缶詰の空き缶だ。
インテリアに馴染むデザインで、食品用の安全加工が施されているうえ、光を一切通さず酸化も防いでくれる。しかも、錆が出始めたら取り換えればよいという手軽さが気軽に始める秘訣でもある。
カリフォルニアはリサイクル意識が高い土地柄だが、大げさなエコ運動ではなく「捨てる前に使えるなら使う」という肩の力の抜けたスタイルがちょうどいい。
容器の上部には、ストックしておいたプリングルスのプラスチック蓋が驚くほどジャストサイズで収まる。
光をしっかり遮りたいときは、内部がアルミ蒸着で遮光加工のされているような、スナックの袋や「かっぱえびせん」の袋を貼りつけるだけで十分だ。こうしたちょっとした再利用の積み重ねが、こちらの暮らしに妙にしっくりくる。
培地も自由で、100円ショップのスポンジやTrader Joe’sで見かける柔らかいスポンジなど、水耕栽培に適した素材なら何でも利用できる。ただしメラミンスポンジだけは高密度すぎて根が伸ばせないため、避けるのが無難だ。
🥗 日米の食文化が混ざり合うキッチンで育つ緑
わが家ではパック詰めのカットサラダを買わない。
生食を前提としたプリパック製品のリコールニュースをこの10年で毎年何度も目にしてきたからだ。
さらに、ナメクジ混入などの寄生虫リスクを避けるため、葉物野菜はあえて非オーガニックを選ぶのが個人的なこだわりでもある。人それぞれだが、オーガニック志向が強い土地柄の中で、こういう“現実的な選択”をしていると、少し逆張りのようで面白い。
また、たまに日系スーパー(Mitsuwa や Nijiya)で三つ葉や小松菜を買い、週末の買い出しでは 地元のスーパーでバジルやレタスを選ぶ。
この「日米の食文化が混ざり合うキッチン」が、カリフォルニア暮らしの醍醐味でもある。
日々の買い物で野菜を調達してはいるものの、片手間で始めた水耕栽培で育てる葉物野菜やハーブもいまでは暮らしに欠かせなくなるくらいの存在になっている。
特にサニーレタスやグリーンリーフ、バターヘッドといった非結球型のレタス類は、玉レタスに比べて発芽率が高く幼苗期の管理もしやすいため初心者に向いている。
なかでも、引っ越し前から育てているトレジョで買ったバジルの鉢は、切り戻しや挿し木を繰り返しながら5年目を迎えた。
青しそも3年目になり、室内で管理する春菊も季節を問わずフレッシュな葉を届けてくれる。
料理の彩りに欠かせないパセリは、挿し木ができないセリ科のハーブなので株を痛めないよう大事に育てている。
🌱 向き・不向きを見極めるのもカリフォルニア流
一方で、水耕栽培に向かないものもある。
ツマ子の家では小松菜がそうだ。
小松菜は何度育てても、室内だとどうしてもうどんこ病が出やすく、無農薬での管理に苦労した。お正月の関東風のお雑煮のために秋口から挑戦しているが、うまくいかない。
なぜか旦那が好きな大根の葉は葉が大きく広がって場所を取る。
大きく広がると株のバランスがとりにくく、プリングルスの蓋では軽すぎて安定しにくいのが難点。
青ネギは肥料を多く消費するため、コストコで大袋を買ったほうが手軽で経済的だ。
カリフォルニアの乾燥した空気は植物にとってプラスにもマイナスにも働く。
湿度が低いぶん病気は出にくいが、逆に水の管理を怠ると一気に弱る。
この土地の気候と折り合いをつけながら育てるのも、楽しみのひとつだ。
💧 水耕栽培を健やかに保つコツ
水耕栽培の秘訣は、肥料と水の管理にある。
液体肥料は与えるタイミングと濃度をきっちり守り、常に清潔を保つこと。
空き缶を使った簡易栽培ではエアレーションを行わないため、水替えは週1回と言わず、ほぼ毎日行うのが状態を良く保つコツだ。
カリフォルニアの強い日差しは植物をよく育てるが、そのぶん水の消費も早い。
そして何より大切なのが、適切な時期に思い切りよく収穫すること。
だらだらと葉を摘み続けていると株が疲弊し、途中で枯れたり、とう立ちして味が落ちたりしてしまう。
☀️ キッチンの窓辺で育つ、カリフォルニアの緑
決まったスタイルにとらわれず、暮らしの隙間でゆるやかに緑を育てる。タイミングを見極めて手早く収穫し、採れたての新鮮な緑をいただく。
先の全米を揺るがしたレタスの寄生虫発生時も、ツマ子の家では採れたて産地直送、ツマ子室内農園のルッコラやレタスが食卓へもたらされたのは言うまでもない(笑)。
カリフォルニアの陽ざしあふれるキッチンの一角で芽吹く小さな葉を眺める時間が、日々のささやかな楽しみになっている。
💡過去の水耕栽培の話はこちら。
コロナ禍で買って試した水耕栽培キットの話
コロナ禍で買って試した水耕栽培キットの話

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